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“Global Heart”

~ Yogaでシンプル・ライフ from Greenwich CT ~

まさかの時が、ホントウの時

夜明け前の、澄んだ蒼い空に、美しく輝いていた下弦の月を見て…
こんな日はいい日になりそう♪、と迎えた今日の朝。

支度をしながらいつも聴いているFMラジオのWQXR局からは
バッハの『無伴奏チェロ組曲』が流れていました。
と、その時、美しい調べが突然に止まった。
同時に、照明が消えた。。
えっ、停電?

朝の日常が一瞬にして止まった感覚。

こういう時、いつも思い出すK先生の言葉。
「まさかの時が、ホントウの時」
非日常の現れは、いつも突然にやって来る。

K先生は40代の時に、お子さんを事故で亡くされ、
続いて、奥様も癌で亡くされていました。

それが人生のホントウのとき。。

本当にそうだった。
主人の癌が告知された時。。子供の病が分かった時。。母の死。。
ウソでしょ!まさか!どうして?から、ホントウの時が始まりました。

日常の中で、当り前のことなど何もない。
本当は奇跡の連続で今がある。
ホントウの時、が始まって以来、
「いってらっしゃい!」
「おかえりなさい!」
って言える何気ない日々が感謝でいっぱいになりました。
ついつい忘れてしまうこのことを、
今朝の2時間程の停電が思い出させてくれました。

やっぱり、今日はいい日だった!
そういえば、K先生は今朝ラジオから流れていたバッハがお好きでした。
これってシンクロニシティ?
この言葉を思い出しなさいって。。

  Carpe diem. (一日の花を摘む)…今日一日を生きる     

                            ~K教授から頂いた古代ローマの言葉です。
 




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メトロポリタン・ミュージアム その2

 
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唯一絶対神への信仰によって、生の意味を見出せたとき、
苦の現実にあっても、深い安らぎがあったに違いない。
いまある現実を越える力を宗教はもっている。
それは信じることによって救われる世界。

「不合理なるがゆえにわれは信ず」というキリスト教の格言は、
カルタゴのキリスト教司祭テルトゥリアヌス(160-220)の言だとされ、
イエス・キリストの復活について言われたものとされる。

でも、不合理であると思われるものは、やはり信じがたい。
「我」が先に存在する世界では、生きるべきなぜ(why to live)を自ら考え、
判断し、その責任を自ら負わなければならない。
選択肢がたくさんある中、生の意味を見出すことは容易ではない。

前述したニーチェの「生きるべきなぜ(why to live)を知る者は、
ほとんどすべてのいかに(how to live)に耐えうる」という言葉は、
「神は死んだ」、と彼が告げた近代から、現代の混乱を
予言していた警鐘のように聞こえてくる。

Why to liveをなかなか見出せず、How to liveに悩む現代人は、
信仰と理性が調和し、生きる意味をもっていた中世より実は暗黒の時代だよ…
って、中世から、囁きと笑い声がしてくるよう。。。


頭がクラクラする中、娘は興味深げに楽しんでいる様子。
ねぇ、そろそろルネサンスへ行こうよー。


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ニーチェ(1844-1900)とほぼ同年代に生きたオーギュスト・ロダン(1840-1917)
も「神の死」の後、生の意味を一生懸命に「考えた人」(笑)なのでしょう。
有名な「考える人」は、ダンテの『神曲』地獄篇より着想された「地獄の門」を構成する
偶像の1人で、ダンテ自身として創られたものだと言われています。
METには、その「地獄の門」を上から見下ろした位置で像が設置されています。
「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」…
地獄の入り口で、何を思い、何を見出そうとしているの?
その苦悩に満ちた姿と表情は…いつの時代にも共通している人間の有り様でしょうか。


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写真はコロンビア大学。
哲学科の校舎正面に、「考える人」が大きく建っています。

さあ、考えよう。生の選びは自由の時代!
でも…下ばっかり見ていないで、空を見上げて、深呼吸しましょうよ。
ねぇ、地上の世界はこんなに美で満ち溢れているよ。     






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メトロポリタン・ミュージアム

Martin Luther King,Jr Dayだった月曜日に、
メトロポリタン・ミュージアムに行ってきました。

行く度に新しい発見がある場所。。
自分を確認したいとき、
自分を空っぽにしたいとき、
変化や希望、勇気が欲しいとき、
こういう偉大なアートの空間に、身を置くととってもいい♪

毎週末、娘を送迎する為、ドライブでアップタウンに行くことが多く、
いつもはその合間に、1人で訪れることが殆どなのですが、
今回は、授業で中世文学を選択していた娘が、
中世のアートを見たいというので付き合いました。
ダンテの『神曲』やチョーサーの『カンタベリー物語』などを読んでいたようです。

ギリシャ・ローマ、それから跳んでヨーロッパ、アメリカンウィングのコレクション、
エジプト、オリエントからアジアコレクションは何度も足を運んでいるのですが、
そう、中世はじっくり観たことがなかった。。
4世紀から16世紀までのあたり、西ローマ帝国の滅亡から、
ルネサンスが始まるまでの期間。
よく中世は「暗黒の時代」と表現されますが、光がいっぱい満ちていたと思う。
この時代がなかったら、どんなふうに歴史は大きく違っていたのでしょう。
自我の発見をデカルトまで待つことはなかったのかな?
多岐にわたり、難解で奥深く、なかなか入れない中世。。
そういえば昔、授業中、教父哲学の父アウグスティヌス辺りから、トマス・アクィナスの
スコラ哲学になると、頭がストップして全く働かなくなり、
いつも頭痛と眠気が襲ってくるのでした!

唯一の神的存在者への信仰とは?

ビザンティンの銀製品、ガラス、象牙彫、民族大移動期の貴金属、
ロマネスク・ゴシックのステンド・グラス、彫刻、タペストリーなどなど、
その精密さのエネルギー、忠誠心や信仰心、神への愛、どの作品にも
怖いほどの思いが感じられて、ため息が出ます。


もし自分が文字を読めなくて、住む世界も限られていて、情報もあまりない生活の中にいて、
世界はこうして創られたのだよ。だから世界とはこうあるのだよ。
と、形や絵で教えられたら、それはすごく有り難い世界になるでしょう。
ちゃんとそこに「意味」を見出してくれているのだから。。

ニーチェが言う。
「生きるべきなぜ(why to live)を知る者は、ほとんどすべてのいかに(how to live)に耐えうる」と。

神との契約は、苦しみや、死さえも意味のあるものとしたのではないでしょうか。

人は人生に「意味」を見出せる時、
そこには生きる希望が生まれ、
生きる勇気が与えられたことでしょう。
そんなことを思いながら・・・             (続きは次回に)



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写真は伝クラウス・ド・ウェルフェ(1396活動ー1439)のVirgin and Child。
母と子の間の雰囲気がなんとも愛らしく、慈愛に満ち溢れています。
この美しい姿を前にしては、思考はストップする。
調和、生命力、崇高さ…、感じるままに充たされて、美を楽しませてくれます。
METにある数多い聖母子像の中で、いちばん好きです。

解説書によると、腰掛けの銘文には
「我は始源より、年月以前に創造された」(集会の書第24章第14節)という聖書の予言にある
キリストによる成就を強めている。とありました。




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Fortune Cookie

フォーチュン・クッキー (fortune cookie) 。。。

これは、アメリカのチャイニーズ・レストランで食後に出されるお馴染みのお菓子ですが、
中に運勢やラッキーナンバー、翻訳された中国の文章、ことわざなどが書かれた紙片が
入っています。
元々は、日本の北陸地方の神社で、新年のお祝いとして配られていた辻占煎餅に由来するものだそうです。日本の文化から取り入れられたフォーチュン・クッキーが、中国では全く存在しなく、知られてもいなくて、その一方で、アメリカでは中国の習慣だと認識している人が多いとか・・・面白いですね。

いつも何気ないメッセージが含まれていて、笑えたり、ドキッとしたり、
それが食後の楽しみでもあります。

そう、新年に届いたメッセージは・・・

Trust your intuition.
The universe is guiding your life.


というものでした。

直感ではなく、直知することを、直観という。
経験ではなく、思考でもなく、対象を直接に知的に把握すること。
難しいな。
果てしない宇宙の導きに身を任せましょうか・・・

そんな中、夢を見ていたのでしょうか?
眠っている間に言葉が聞こえてきました。

  「カラダがカイホウされなければ、
   ココロはカイホウされない。
   カラダをカイホウしなさい。」

カラダをカイホウする?
ココロがそう叫んでいる?
何の声だったのでしょう…

夜中に目が覚めて、さっきの声は…何?
と思いながら、もう一度目を閉じました。
また、聞こえてくる、…「身体を解放しなさい」

私はまだ縛られているのかな。。。


Trust your intuition.
The universe is guiding your life.


フォーチュン・クッキーの紙片を手帳に挿んでおこうっと。






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春の陽気

寒気が緩み、春の訪れのような一日。
Greenwichは17℃まで上がりました。
この時期のNew Recordだそうです。
コートなしで外出できる陽気のせいでしょうか…
すれ違う人の顔もなんだか緩んで見えました。

お昼間に、威勢のいい鳥の鳴き声が何処からとなく聞こえてきて、
窓から外を見ると、North Mianus Riverのある一定の所に、
川の真ん中辺りだけに沢山の水鳥が群れていました。
どうもその辺りの川面だけが、氷解している様子。
気持ち、分かる、分かる!
水と戯れて楽しそうでした。

でも、午後3時を過ぎると、いつの間にか姿が見られなくなっていました。
みんな何処から来て、何処へ行ったのだろう。

自然界では気候の変化を始め、様々なことをどのように察知しているのかな。
日没の時刻を知らせるニュースも、最高気温を予想するニュースもないのに…

原始感覚を失いかけている人間には計り知れない世界がここにある。
頭の中だけで判断することや、目に見えるものだけを追いかけるのは止そう。。。


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              テラスから見える1月の風景





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無常なる実相

すべては、一瞬も止まることなく変化している。
その中で、変わらないものがあるとしたなら・・・それは何だろう。

地球は1秒間に444mの速さで回転し、
同時に1秒間に30kmの速さで太陽の周りを廻っている。
太陽系も秒速20kmで近くの恒星系の中を動き、
同時に秒速320kmで銀河系の中を動いている。 という。

目が回りそうな数字…こんな数字を並べられても???だけど、
そんな地球上に生きて時を過ごしている私達。

夜明けは一瞬の内にあって、闇から光の世界が現れる。その反対も然り。
日の出や日の入りに見る太陽は、刻々と動いて世界を変えていく。
やっぱり、ものすごい速さの中で生きてる私達。

形あるものは、やがて変化していくのが自然の摂理。
日々の生活は、決して同じことの繰り返しであるはずはない。
あたりまえのことなど何もない。
奇跡の連続で今、ここにいる。

悲しいけれど、それが無常の実相。
それに気づいたら、そこから違う世界が見えてくる。拡がってくる。
そこで初めて、人は本当に謙虚に生きられる気がします。

13年前、どうしようもない悲しみと苦しみの中にいました。
そのような時に、何かの本から記したノートがあります。
私はこれを噛み締めてきました。
旧約聖書の中に出てくる、『ヨブ記』について書かれたものです。

心を痛めている友人へ、ここに記します。


苦しみ、辛いこと、起こってほしくないことが
自分に起きたとき、

心の穴が開いてしまったとき、
その穴を通してしか見えないものが、人生にはある。

そうして、その穴を通して、何かを見るとき、
人間は深い深いところで満たされて、
最も人間らしくなっていく。

「私は裸で母の胎を出た
また裸でかしこに帰ろう
神が与え、神が取られるのだ
神のみ名は褒むべきかな」 (ヨブ1:21)



深い悲しみの中にも、
それでも毎日、朝日が昇っていることを思い出されますように。




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Happy New Year!

あけましておめでとうございます。

Greenwich Pointのお正月風景です。

海を見渡す大きな石がある、この位置に立つ度、
ここに刻まれている言葉をかみ締めながら、景色を眺め、省みています。


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WAIT A MOMENT
AND LOOK AT THE VIEW
WHILE I SIT AND TAKE THE SAND
OUT OF MY SHOES,
APPRECIATE ALL THAT YOU HAVE.

  (わたしが座って、靴の中の砂を出している間、
   ちょっと待って、辺りをみていて・・・
   まわりにあるもの、全てに感謝しよう。)


2008年が平和でありますように。
皆さんにとって、素晴らしい年でありますように。

今年は更にワクワク、いい年にしましょうね♪

本年もどうぞ宜しくお願いいたします。




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